療育ってどんな仕事?保育士が療育の仕事をする方法とは

公開日:2023/08/15   最終更新日:2023/05/29

保育士として働くなかで、療育について耳にしたことはあっても、どうすれば療育で働くことができるのか、疑問に思う方は多いのではないでしょうか。実際に保育士の資格を活かして、療育保育士として活躍している方も多くいます。今回は、療育とはどのようなものか、保育士として働く上でのやりがいや実際の働き方について解説しましょう。

療育とは?

そもそも療育とは、障害のある子どもやその可能性がある子どもに対し、自立した日常生活や社会生活を送ることができるよう支援することを指します

「発達支援」といわれることもあり、それぞれの子どもが抱える課題や発達状況、障害特性を踏まえて、一人ひとりに合わせた支援計画を立ててアプローチするのです。

子どもが抱える障害や特性を改善するのではなく、それらの特性をもちながらも、できる限り快適に社会生活を送ることができるよう、苦手なこととの向き合い方を訓練することが目的としています

早期から介入し療育を行うことで、いじめや不登校、抑うつなどの二次的な問題を予防することができるといわれています。

療育の仕事のやりがいとは

療育の仕事のやりがいとはどのようなものがあるでしょうか。

具体的には「一人ひとりに合った支援ができる」「子どもの成長をそばで見守ることができる」「保育士としての成長につながる」の3つにわけることができます。それぞれについて説明します。

一人ひとりに合った支援ができる

療育の対象となる子どもたちは、一人ひとり障害の程度や特性が異なります。その子がもつ性格や気質にも影響されるため、同じ診断が下っても症状の現れかたは異なることがあり、じつに千差万別です。

そのなかで、自立した日常生活・社会生活を送ることができるよう、子どもたち一人ひとりと向き合い、その子の個性に合わせた支援方針を考えて指導することは、やりがいにつながるでしょう。

子どもの成長をそばで見守ることができる

療育を行う際、通常の保育園よりも少人数制となっているため、子どもたち一人ひとりとじっくりと関わることができます。

そのなかで、少しずつ成長してゆく姿をそばで支えて見守り、一緒に喜ぶことができることは、保育士としての喜びにつながるのではないでしょうか。

保育士としての成長につながる

療育施設では、医師や理学療法士、作業療法士、言語療法士、臨床心理士、児童指導員、介護福祉士などさまざまな専門分野のスタッフが在籍しています。

それらのスタッフと連携しながら、子どもたちに合わせた療育プランを立てていくことで、療育に関する理解を深めるとともに、保育士としての成長につなげることができます

また、発達や障害の特性を学べることはもちろん、一人ひとり異なる個性の尊さを改めて知ることができるのもやりがいにつながるでしょう。

保育士が療育の仕事に就くには

療育を行うにあたって特別な資格は必要ありませんが、保育士を対象として募集している求人も多くあります。

発達障害をはじめとする特性をもつ子どもたちの療育を行う上で、保育のプロである保育士の資格をもっていることを重視する施設もあり、保護者にとっても安心して子どもを預けることができるからです。

保育士が療育の仕事に就く際、具体的には「児童発達支援施設」と「放課後デイサービス」があります。

児童発達支援施設

児童発達支援施設は、小学校就学前にあたる6歳までの子どもを対象とした施設です。基本的な生活習慣のためのトレーニングや身体感覚を豊かにするための作業療法などを実施します。

保育園と同様に未就学児との関わりであるため、この時期の子どもたちの発達の知識や保育士としての経験を、療育の子どもたちとの関わりにも活かすことができるでしょう。

また、職員の数が多く配置されていることが多いため、ゆとりをもって関わることができます

放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、小学校に入学する6歳から、18歳までの子どもたちを対象にした発達支援施設です。

利用する子どもの年齢によって療育の内容は異なるものの、生活能力向上の訓練に加え、学校での集団生活を送るためのサポートや就労支援など幅広く支援するのが特徴となっています。

対象年齢は小学校以上となりますが、やはり保育士の資格をもっていることで優遇されることもあり、保育士の資格を活かすことができるでしょう

放課後の時間に開所する通所方の施設が多いため、残業やもち帰り仕事が少ない傾向にあるのもメリットといえます

まとめ

療育で保育士として働く上でのメリットや実際の働き方について解説しました。保育園で働くことでも、子どもとの関わりや成長を見守ることで自分自身の成長ややりがいにつなげることができますが、療育でこれまで関わることがなかったさまざまな専門分野のスタッフと関わることで得られる学び、さまざまな障害や特性をもった子どもたちとじっくりと一人ひとりと関わりながら成長を見守るという経験は、新たなやりがいや自分自身への良い刺激となるのではないでしょうか。保育士として経験を積んだ上で、更なるステップアップを検討する上での選択肢のひとつになるでしょう。

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