保育士が転職する前に知りたい「再就職手当」について
転職を考えている保育士の方へ、役立つ情報として「再就職手当」についてお伝えします。自身が再就職手当を受ける資格を持っているかどうかを確認してみてください。さらに、ハローワークを経由せずに転職先が見つかった場合でも再就職手当は支給されるのか、気になるポイントも解説します。
再就職手当とは?
そもそも再就職手当とは、失業手当を受給している人がその期間内に新たな職業に就いた際に支給される手当のことをいいます。次の就職先が決まった場合、または自身で事業を開始した場合にもらえる祝い金という認識で問題ありません。
なお、再就職手当は速やかに再就職するほど給付率が高くなる仕組みになっています。要するに、できるだけ早く次の仕事を見つけたほうが有利だということです。
短期間で職を見つけて働き出してくれることを望む側と、いつまでも求職者でいるわけにはいかないと思う側をうまく結んでいる制度といえるでしょう。
よって、離職者の再就職率アップにもつながっています。また、正社員だけでなくパートやアルバイトとして働く保育士も支給対象者です。損をしないように自身の状況をしっかりと把握しておくことをおすすめします。
再就職手当をもらうための条件とは
では保育士が再就職手当をもらうためには一体どのような条件が必要なのでしょうか?以下、すべてを満たしている必要があるので、項目ごとに分けて説明します。
ハローワークで求職手続きをしたあと7日間の待機期間が完了していること
失業手当の待機期間中に再就職先が決まってしまうと再就職手当は受け取れないので、注意してください。
待機期間の満了後1か月間においてはハローワークを介した就職先であること
この条件には退職した理由が会社都合であるか自己都合であるかという点が大きく関わってきます。こちら内容に関しては次の項でくわしく解説しましょう。
新たな就職先で1年以上勤務することが約束されていること
再就職先の雇用形態が正社員であればとくに問題はありませんが、派遣、契約、パート、アルバイトでの採用である際には注意が必要です。契約期間が確実に1年未満の場合、再就職手当は受け取れません。
一方で、今後の確実な期間が不明でも、契約更新が予測されている場合であれば支給対象です。
離職前と同じ事業主からの雇用ではないこと
簡単にいえば、以前と同じ保育園に就職する場合、再就職手当は受け取れません。
たとえ名称や場所が異なっていたとしても、経営元が同じであれば同じ事業主と判断されるので注意しましょう。
求職申し込み前から内定していた職ではないこと
ハローワークで求職の手続きをするよりも前に就職先が決まっていた場合は、もちろん支給対象から外れます。
就職日前の3年以内において再就職手当の支給を受けていないこと
以前にも再就職手当を受け取った経験がある人は、それがいつのことであったか確認してください。もし3年以内であれば再度の支給は受けられません。
雇用保険に加入していること
これまでさまざまな条件がありましたが、まず基本定義として離職した先で雇用保険に加入していたことが原則となります。今一度ご自身の状況を確認しましょう。
受給している失業手当の支給日数が3分の1以上残っていること
失業手当をおおかた受給している場合、さらに再就職手当ももらいたいといったことはできません。
ハローワーク以外で内定した場合支給されないことがある?
では前述していた離職理由にもとづきハローワーク以外で内定した場合の再就職手当支給有無について説明します。
まず、前職を会社都合で退職した場合です。会社都合とは離職した理由が解雇や倒産だったケースをいいます。この場合は、ハローワークでの求職手続きのあと、7日間の待機期間が完了していれば、転職までにどんな経緯だったかは関係なく再就職手当がもらえるのです。
ハローワークからの紹介に限らずとも、転職サイトや求人広告、知人からの紹介などでも問題ありません。
それでは自己都合で退職した場合はどうなのでしょうか。自己都合とは離職した理由が結婚や転職希望など、自分のタイミングで辞めたケースをいいます。
こちらの場合も、会社都合と同様に待機期間が完了していれば支給の対象であることは確かです。
ただし自己都合の場合は注意点があります。それは、待機期間満了後から1か月間は、ハローワークを介した就職活動での内定でなければ再就職手当は受け取れないという点です。
ハローワーク以外の就職活動を望む際には再就職先の決定までに少し期間をおかなければならないということになります。しかしそれはもらえる金額が下がることにつながりますので、どちらがよいか慎重に判断してください。
まとめ
再就職手当は誰しもが受け取れるわけではないので、諸条件をしっかりと確認してみましょう。やや面倒だと感じる人も多くいますが、もらえるものはもらっておいて損はないはずです。支給対象であるのに申請漏れで受け取れなかったなどということがないように注意しましょう。その後はスムーズに受け取りまで進めるよう、この記事が参考にしてください。