どうすればスムーズに退職できる?保育士が円満退職するコツとは
保育士で働いているものの、今の園と相性が悪く感じてしまい退職を検討しているのではありませんか。しかし、なかなか難しいのが円満退職です。なかなか退職が認めてもらえず、最終的には喧嘩別れのようになってしまうケースも少なくありません。そこで今回は、保育士が円満退職するにはどうしたらよいかを徹底解説します。
よくある退職時のトラブルと円満退職のメリット
ここでは、保育士における退社時のトラブルと円満退職のメリットを紹介します。
よくある退社時のトラブルとは?
保育業界では、就業規則において退職を伝える時期は就業規則による3か月前とされています。民法では2週間前とされていますが、保育業界では就業規則が優先される傾向があり、2週間前など直前で申し出ると、就業規則を持ち出されてなかなかやめさせてもらえないなどのトラブルが発生するケースも珍しくありません。
そこで気になるのが、保育業界ではなぜ3か月前に設定されているのかという部分でしょう。その理由は明確であり、保育士配置基準が定められているため、職員を一定数確保する必要があるからです。
しかし保育士不足に陥っている地域も多く、短期間では新たな保育士が見つからないことも多いです。さらに、運営管理費が決まっているため、普段から余剰に保育士を採用しておく余裕はありません。
それなのに強引に短期間でやめられてしまえば、残された職員への負担は当然重くなます。保育園側の立場や状況などを考慮したうえで正直に状況を伝え、適切な時期にやめさせてもらいましょう。
円満退社のメリットとは?
円満退社とは、労働者と雇用主がお互いに退職に合意し、円滑に退職の手続きを済ませることです。あなたも円満退職を望んでいるはずです。
円満退社であれば、スムーズに退職できるため引き止められて園と揉める心配もありません。ほかの職員から不満をいわれたり、嫌がらせを受けたりすることもありません。
退職でトラブルが発生すると、退職願を受け取ってもらえないこともありますが、円満退社であればそういったこともなく、自分の望んだ時期にやめられます。つまり、次のキャリアのスタートが計画的にできる可能性が高まるのです。では、円満退職をするためにはどうしたらよいのでしょうか。
円満退職するためのコツ・トラブル回避法
ここでは園にも影響を与えにくい、円満退職するためのコツおよびトラブルの回避法を紹介します。
退職を切り出す時期を早めにする
前述したように、民法上は退職の2週間前に伝えればOKです。しかし保育園の場合は、事情もあるためなるべく早めに伝えるのがおすすめです。おすすめの時期としては、2か月から3か月前になるでしょう。それだけの時間があれば、新たな職員を探す余裕もあるため受け入れてもらえる可能性が高まります。
退職理由を工夫する
退職時には、退職の理由を聞かれることになるでしょう。退職の理由は人それぞれでしょうが、基本的にネガティブなものが多いです。「人間関係に問題がある」「給与が低すぎる」「残業が多すぎる」などでしょう。
しかしそれらの本音を伝えてしまうと「給与のアップ」や「配置転換」などで対応するなどの引き止めにあう可能性も高いので、注意しましょう。「将来のキャリアを考えて、ほかでも経験を積みたい」「体力的に難しいので、ほかの職種に移りたい」など、比較的当たり障りのない理由を伝えると納得してもらいやすいです。
退職時期を年度末にする
退職時期については、工夫する必要があります。時期によっては、園側としてもやめられると困ります。もっともスムーズに退職しやすいのが、3月末の年度末なので、そのあたりを意識して退職を検討してはいかがでしょうか。
そもそも年度末は業務の引継ぎや人員体制の見直しに対応しやすいため、職場の負担を最小限いできるといったメリットもあります。
上司・同僚・保護者に挨拶をする
職場の人に、できれば口頭で挨拶するのがベストです。また担任として働いていた場合は、保護者への挨拶もなるべくしておくとよいでしょう。担任が急にいなくなると子どもたちも不安になるため、子どもたちへの挨拶も忘れずに行ってください。
残念ながら円満退職が難しいケースもある
誰しも望む円満退職ですが、難しいケースも多く、状況によっては職場との衝突を避けられないこともあります。とくに注意したいのが退職理由であり、自己都合としてはいけないケースも少なくありません。
たとえば、賃金の未払いや不当な時間外労働が原因で仕事を辞める場合、退職時に個人的な退職理由を伝えると、離職票上の退職理由が「自己都合」になります。失業給付金などを受け取る際の待機時間に違いが出てくるなど、不利益が出てくる可能性があるので要注意です。
また体調不良で仕事をやめる場合も、円満退職にこだわる必要はありません。
まとめ
保育士が円満退職するためのコツを紹介しました。実際にトラブルが多いことも事実であり、円満退職が難しいことも事実です。しかし退職までの期間や時期、そして退職理由などを工夫することで、スムーズにやめやすくなることも事実なので、ぜひ実践してみてください。
ただ、円満退職にこだわるあまり体調を崩しては意味がありません。状況によっては、トラブルになっても致し方ないケースもあると理解しておきましょう。